「アフガンの床屋」

motokiM2005-09-21

「髪型」

9月20日に髪を切った。昨日の日記では軽く考えていたが、出来上がった髪を見てアラ不思議だなあと思った。


通訳のモハマディンが床屋に行くと行ったので、僕もついでに髪が伸びていたので、彼と一緒にカーブルの床屋に行った。こちらの髪型の流行は、インドの俳優がモデルになっている。町の中に、映画館があり、インド映画の広告がでかでかと貼られている。今お世話になっている下宿のあたりは、カーブルのなかでも上流階級が住んでいる住宅街なので、レンタルビデオ屋がある。そこにも、やはりインドの俳優の写真がたくさんある。現在、髪型のモデルポスターは、若いインド俳優だ。



床屋では、かっちり髪を切られた。



日本ではよく、すきバサミやカミソリなどで、髪の量を抑えようとするが、こちらでは、髪を切るとき使うのは、バリカンとハサミ。この2本が主な道具だ。日本の髪型のふんわりした感じではなく、かっちり決まった髪型になる。



僕は、床屋が髪を切る前に、「上を短く、そして、もっと横は短く」と説明した。床屋は「まかせとけ」と言わんばかりに、髪に水霧吹きを強くかけ始めた。



そして、床屋の男はバリカンを頭に入れ始めた。バリカンは電動ではない。ハサミのようにチョキチョキ指を動かす。電動の振動がないので、バリカンで刈られても、細かい振動による特有の不快感はない。手動バリカンで刈られる頭が気持ちよかった。


床屋の男に首のエリをどう揃えるかと尋ねられたので、「そのままで」と言った。しかし、床屋は「これじゃおかしか。ちゃんと揃えんといかんよね」そう言ったが、「揃えなくていい」といった。



床屋は一旦、カミソリを置いた。やっと納得したのかと思ったが、鏡を持ってきて、「ほら見てみぃ。ここにエリに髪があるじゃなかね。これを剃らなきゃいかんばい」そう言った。通訳のモハマディンも「剃った方が良よかね」と口をそろえてそう言った。郷にいれば、郷に従った方がよい。そう思い。彼に任せた。



正面から切られた髪をみた。普通だと思った。スポーツ刈りのようだなあと思った。そして、鏡を持ってきて、床屋は僕の後ろを再び見せた。首の後ろの感じがぼやけた感じではない。きちっと揃っている。首の後ろをさわると、ざらざらして、気持ちよい。


そして、床屋を出た。通訳のモハマディンと一緒に、取材に向かった。カーブル大学の前に、モスクがある。一度、大学生の候補者が、大学の前にあるモスクで公演を行った事がある。そこの外観を撮り忘れていたので、追撮する。車の中で、通訳のモハマディンが急に一人で笑い始めた。


今日、こっちのスタイルの髪型に変えたことがおかしいという。「昨日までは、ボサボサしてハザラ人のようやったけど、今日から日本人のみたいやね」と言った。逆なら分かる、日本人として見られていたのが、現地式の髪型に変えて、ハザラ人のようだねと言われるなるのは。


ただ、不思議なことに、昨日髪型が変わって、アフガン人に何度もダリ語で話しかけられる回数が多くなったようだ。