〔インターネットカフェ〕

インターネットカフェ


今日、町中のインターネットカフェに行く。そこで、日本と対話プロジェクトの実験をした。ネットカフェの店員アブドラ・サダール(21)に、前日、3時から日本とコンタクトするから、席を一つ予約したいと申し出たら、快く引き受けてくれた。さっそく2時頃、ネットカフェに到着し、実験を開始した。


しかし、それから1時間が経とうした3時前に「今日は3時からは休憩する」と言われた。ここはアフガニスタン。前日に3時にくるからという予約なんて、昼頃来るから席を取っていてくれと言うくらいにしか伝わらない。実験を開始する。日本側の声は聞こえるが、映像は動かない。映像は来るが、声は聞こえない。そう言う状態が続いた。そして、こちらの夕方前に、日本の声と動画がつながった。この原因は、一体何だったのか。


アフガニスタンのカーブルでは、長年の戦争のため、電話回線を見かけたことがない。もちろん、電話を使うことはできるが携帯電話がほとんどだ。インターネットは全て、衛星通信によって、やりとりが行われている。そのためネットカフェで接続する場合、時間帯によって、接続されているスピードが違う。休日の金曜日の午前中は、(アフガニスタンにしては)かなり早いが、平日の五時過ぎは、アナログ回線の5倍は遅い。そもそも、ネットを必要としているのは、カブールの上流階級や、国連やNGO関係者に限られる。現に、カーブルから1時間ほど離れた村では、携帯電話を持っている人は希だった。勿論生活に必要がないからだ。


昨年、ジャララバードにいたときも携帯電話を持っている労働者はいなかった。ジャララバードに行くと今も(モハベラ)トランシーバーを使っている。送受信の感度は砂嵐に大きく左右されたことを覚えている。全く予期できない出来事に、こちらのネット事情は左右されうる。選挙の前日だったので、本日のネットカフェはかなり混雑していた。



日本と実験のやりとりの中で、やってくる来る映像や音声に、感動した。実際、学校でアフガニスタンと日本をつないだときに学生の反応にはかなり期待が持てた。そんな期待を持っていたのですが、本日、小野さんからお借りしたパソコンにウイルスが侵入。いまもってどこからもらったのか不明です。それを解決すべく。ネットカフェの店員アブドラ・サダール(21)に相談した。彼は快く、ウイルスソフトを貸してくれた。


彼は、マザリシャリフ生まれの、パキスタンイスラマバード育ち。彼も例に漏れず、難民生活をパキスタンで過ごす。一見、難民というと、UNのテントに住んでいて、水を数キロ離れた井戸へ汲みに行くようなことをイメージしがちだが、彼はボンボンだ。難民といえど、パキスタンに大きな家を構えていたという。しかし、パキスタン内のアフガニスタン難民に対する扱い方は酷い。また逆に、アフガニスタン内のパキスタンに対する偏った見識も酷い。彼もアフガン人として、偏見のまなざしで見られたのだろう。パキスタンのことを憎んでいる。7年前にパソコンにはまり、現在はウィンドウズのスペシャリストだ。現在、僕たちが滞在している場所は高級住宅街。その中にあるネットカフェは、上流階層専用に使われている。彼は、ウィンドウズの知識を見込まれて、ネットカフェの店員として働いている。


ここの店のオーナーもまた味のあるオジサンなので、又の機会に報告したい。そんな、店員サダールは、渡辺氏が持っているmacをみて「何じゃこりゃ!初めて見るわい」と驚いていた。 渡辺氏がマックだと説明すると、納得して「これはまったくわけが分からんわい」はしゃいでいた。店の外でたばこを吸いながら「兄貴がカリフォルニアに住んでいるけん、あげなパソ
コンを使うため、移住したか」と言っていた。