くさや

さいきん、八丈島の映像を編集している。
クサヤという干物をごぞんじだろうか。
知らない人に説明すると、早い話が、臭い干物だ。
知っている人にとっては、牛舎のにおいがすると言って嫌う人と
うまくてたまらないという人の二つに分かれる。

私はクサヤが好きな人の部類に入る。
ムロアジとトビウオなどをクサヤ液につける。
クサヤも発酵食品だとばかり思っていたが、
クサヤ液が発酵食品だそうだ。
意外にもクサヤの製造過程で大変たくさんの水を使う。
炭火で軽く焼いて食うのが一番うまいが
八丈島の生のトビウオのクサヤを食べても決して食あたりしない。
ムロアジは生に合わない。
トビウオは身が淡白だし、うまい。
トビウオの皮を剥ぎ、レモン汁で表面をかるく〆ると、うまい。
酒飲みの友達でワインと生ハムが好きな人には、ワインと生クサヤをすすめるが、誰一人、試したことはない。
事実、クサヤ屋の若だんなですら、腹を壊したら悪いからとすすめはしない。
しかし、まあ、この生クサヤがうまい。
あと10年もすれば、生クサヤへの印象が
ブルーチーズをたべるくらい、当たり前になるかもしれない。
話はずれたが、八丈では、そのくらい新鮮なクサヤを食べることができる。
今がその春トビウオの時期だ。
まあ、八丈島は水がきれいなんで、私はこんな食い方が出来るのかもしれない。

そんな八丈島の記録映像を作っている。