グエン・べト

motokiM2009-09-24

映画には全く関係ないことですが、今やっていることの報告です。

日本のはるか南方、ベトナムという国に、下半身がつながったべトちゃんドクちゃんという結合双生児がいるということを聞いたのは、小学校の時だったから、今から20年以上前だったとおもう。
それで、ダイオキシンと枯れ葉剤の存在を知った。
1988年の分離手術後、日本から贈られた自転車に乗っているグエン・ドクさんの姿を見て、なんて運動神経がいいのだろうか、と思ったのを覚えている。
月日は流れ、べトさんが亡くなったことを知った。
それで今回、縁があり初めてグエン・ドクさんと会った。
彼は28歳になり、ドクちゃんと呼べない。
新聞などでも「べトちゃんドクちゃんのドクさん来日」というように書かれている。

映画の公開のドタバタがおわり、今月の19日から22日まで彼の密着取材にかかわった。
日本のきょうされんという組織が彼を招いた。
きょうされんは、成人期の障害のある人たちが地域で 働く・活動する・ 生活することを応援する事業所の全国組織であると、ホームページに書かれている。
彼らの前でドクさんは、講演を行い、交流を図った。
きょうされん全国大会では、ベトナムにおける障害者の生き方を語っていた。

来場者からの質問もあり、今の一番の楽しみは、今年の年末に父親になることだとも語っていた。
数日間一緒にいただけだが、ドクさんは、サービス精神があり、非常に明るい面が目につく。
たとえば、街を歩けば、「一緒に写真を撮ってもらってもいいですか」とお声がかかることがあっても嫌な顔をしない。
街のなかですれ違う30代より上の世代は、ほぼ皆、彼だとわかるが、小学生や中学生になると、ほとんど、どこのだれだかわらない。
20年以上前に、分離手術が行われたのだから、情報も少ないし、分らないのだろう。
中学生が、複雑な目で、ドクさんの姿をみて、彼と目があった瞬間に、目を背けていたのが印象的だった。