〔帰還難民〕〔スプリーム〕

〔帰還難民〕

カーブルの米軍基地の近くに、帰還難民の家がある。帰還難民はほとんど山の上で生活する。
勿論舗装されていない山道を車で上る。通訳のモハマディンの車は、韓国のヒュンダイカローラタイプの車。砂埃に車は適していないので、山道を行くと、二人とも砂だらけになってしまう。
そして、帰還難民が住む地区に行った。今回初めて通訳のモハマディンが「危険だ」と言った。
帰還難民が暮らしている場所で、家を造っていた人がいた。その周りには井戸があり、生活用水を女性が汲んでいた。彼が女性がいる場所で、カメラを回すことは危険と判断したのだろう。
そもそも彼は、カーブルの中心街では、女性にカメラを向けることは全く問題ないといい放つ男であり、しかも彼自身、田舎のヤンキーのように道行く若い女性に声をかける。一緒にいると時々とても恥ずかしくなる様なことを平気でやる。タジク系の彼は今のカーブルは問題ではないと言い放つ。

しかし、そのような感覚の彼が「危険だ」と判断したのは、この場所の帰還難民はほとんどパキスタンからやってきて、その土地の風習の中で生活しているからだ。女性に対する扱い方がとても伝統的なのだ。そのため、井戸から離れた場所で家を建てている人々にインタビューした。ほとんどが1年前に戻ってきた。選挙に関して、彼らは、平和にしてくれるから期待していると言った。ここまで、皆が口を揃えて平和に憧れている様子は、とても貴重だが、選挙とデモクラシーという意味をどこまで理解しているのかは、定かではない。時間が迫っていたので、深くは聞けなかった。また、取材したいとおもう。
日本で生まれ育った僕自身、デモクラシーと言う意味は本当に理解しているのかわからなくなった。


〔スプリーム〕
お酒は、イスラム社会では御法度。お酒を飲む人は敬虔な人にとっては、だらしがない人になってしまう。しかし、駐留軍は外国人に限ってお酒の販売の許可をだす。と言う政策をとっています。通常、そんな言い訳は通用しないのだが、占領軍は、ここでduty freeの店を出している。フィリピン人が中心に働くその店の中は、未だ行ったことはないけれども、想像の中のアメリカの免税店のような雰囲気。
鼻をつくようなあまい香水の匂いがする店。そこには各国の駐在軍が買い物してい。リーバイスジーパンから食料品まで様々な物が置いていた。その中にはなんと豚肉まであった。ここにいるとなんだかおかしい気分になった。
ここで買い物をする私自身にも矛盾を感じさせた。
気がひけたのでフィリピン製のインスタント麺を購入した。